Yahoo知恵袋などでお馴染みの「Q&Aシステム」。
疑問点を質問し、それに対してわかる人が回答していくシンプルな仕組みですが、これを社内で活用できると業務効率化につながります。
質問者は解決策を得ることができますし、同じ疑問をもった人が検索して自己解決できるようになります。
また、回答者は何度も同じ質問に回答する手間を省けるでしょう。
今回は、お馴染みのQ&Aシステムを社内で活用するメリットと、おすすめのQ&Aツールをご紹介させていただきます。
なぜ今、社内でQ&Aを蓄積する必要があるか
業務効率化せざるを得ない状況に
2018年6月29日、「働き方改革関連法案」が可決・成立したことに伴って、労働基準法の改正版が施行されます。その中でも特に注目されているのが、「残業時間の上限規制」です。
従来、日本では長時間労働を当たり前のように許容してきました。多少非効率な事があっても、残業をすれば生産性を保つことができました。
しかし、残業時間が法で規制された以上、これまでの業務を効率化せざるを得ない状況となっています。
残業が増えてしまう要因として、必要以上の「社内対応」が挙げられるでしょう。
上司は部下の質問に回答し、自分のタスクをこなせないまま終業時刻が終了する、ということも多々あるでしょう。
部下の質問に答えることはもちろん大切ですが、その中に“何度も同じ質問に回答している”という非効率はないでしょうか。
社内でQ&Aを蓄積すれば、一度回答するだけで質問者は自己解決できるようになり、何度も同じ質問に回答する工数を削減できます。
人材流動性の高まり
高度成長期に日本で推進された「終身雇用制度」は、過去の神話となりつつあります。
IT業界を中心に、転職によってキャリアアップする考え方が一般的になっており、定年まで1社に勤め上げる働き方は、今後難しいでしょう。
転職人口が増えると、必然的に企業の中には中途社員が増えます。中途社員は社会人経験があるとは言え、新しい会社の仕組みや業務に慣れて活躍できるようになるまでは、一定の期間を要するはずです。
そこに誰でも閲覧/投稿できるQ&Aシステムがあれば、内容を理解し、すぐに新しい会社のことを知ることができるのではないでしょうか。
また、これまで活躍していた社員が退職した際に、どこかにノウハウを書き残していなければ、会社に情報やノウハウという資産は残りません。
そのことを常日頃から意識し、個人のノウハウを社内に蓄積する仕組みを構築することが必要なのです。
社内Q&Aツール、導入のメリット
① 何度も同じ回答をする工数を削減
個人に蓄積されている情報やノウハウが公開されていない状態で起こってしまう問題は、「何度も同じ質問に回答する必要がある」というものです。質問者側からすると初めての質問でも、回答者側からすると過去に同じ質問を受けていた、というのは定期的に採用を行っている企業ではよくあることです。
始めは丁寧に回答していても、人数が増えれば増えるほど工数は増えていき、立場によっては1日のうち2〜3時間を社内対応に費やすということも出てきます。
さらに、前提知識が不足していると、質問に対してどこからどこまで説明する必要があるか、を都度考えていく必要があります。
そこで社内Q&Aツール導入することで、社内の質問を蓄積しておけば、何度も同じ質問に回答する工数を削減できます。コミュニケーションコストを削減することにつながり、業務を効率化することができるでしょう。
② 新人がいつでも質問できる環境作り
入社したばかりの新人は、様々な疑問を持つものです。
しかし、入社直後は「誰が、どんな分野に詳しいのか」がわからないため、そもそも誰に質問すればいいのか、いつ質問すればいいのかがわかりません。直属の上司に対しても、沢山の業務を抱えている忙しそうな先輩社員へ質問することは、容易ではないはずです。
社内Q&Aツールを導入することで、「新人が質問⇒先輩社員が回答」というやりとりを気軽に行えるようになります。ツール上であれば、場所や時間を気にすることなく質問できるでしょう。
そのやりとりを蓄積させていくと、それが社内のQ&A集になります。別の人が同じ疑問を持った時に、そのQ&A集を見れば自己解決できるようになるのです。
③ 業務の属人化を防ぐ
社内でこんなことはありませんか?
「〇〇さんがいないと分からない」「〇〇さんがいないと仕事が進まない」
それは業務が属人化してしまっている証拠です。
属人化していると、業務効率が下がってしまします。
誰がどの情報を持っているかわからない状況では、自分が必要とする情報を持っている人を探すまでに無駄な時間がかかってしまいます。情報を持っている人は、前述したように何度も同じことを質問され、それに答えるだけでも1日のうち多くの時間を使ってしまうのです。
また、情報を持っている人が不在の場合、未然にミスを防ぐことができず、実際に問題が起きたとしても誰も対応ができません。
社内Q&Aツールを導入すれば、そんな業務の属人化を防ぐことができるでしょう。
おすすめのツール
Qast
【特徴的な機能】
・匿名で質問
・スコアで貢献を可視化
・Slackから絵文字だけで投稿できる
【おすすめポイント】
今、国内で「社内向けのQ&Aツールと言えばこれ」と言っても過言ではないでしょう。
とにかくシンプルで誰でも簡単に使いこなすことができそうです。
投稿されたQ&Aはフォルダごとに分類でき、タグ付けを行うこともできます。
社内Q&Aツールにおいて、情報が蓄積された後の「探しやすさ」は重要で、検索性においても非常に精度が高いです。
「質問が投稿されても回答してくれないのではないか」、という懸念に対してはスコア機能が活躍してくれそうです。
投稿の数や反応の数によってスコアが付与され、ランキング形式で表示されるため、積極的に回答している社員が可視化され、投稿のモチベーションにつながります。
権限設定、既読数の可視化、形式を問わないファイル添付、スマホでの使いやすさ等、シンプルながらも機能面が充実しており、一度試してみる価値がありそうです。
ちなみに、社内向けチャットツールのSlackを導入している企業では、QastとSlackを連携させることで、利便性が大幅に向上するでしょう。
Slack上での投稿の中で、蓄積したいQ&Aに対して特定の絵文字を押すだけで、それをそのままQastに投稿することができます。
情報が流れやすいSlackの保存箱としてもお使いいただけます。
【こんな人におすすめ】
・はじめて社内Q&Aツールを導入する方
・これまでツールを導入していたが、投稿が増えず、活用できなかった方
・Slackを導入済みの企業の方
・とにかくシンプルなツールを探している方
まとめ
働き方改革が叫ばれる昨今、ITを活用して業務効率化を図ることは不可欠です。
その中で今回は、社内Q&A導入のメリットとおすすめのツールをご紹介させていただきました。
ツール導入後は、実際に活用することが重要です。
最初は少し手間になってしまうと思っても、Q&Aが蓄積されれば大幅に業務を削減できる人が社内にはいるはずです。
まずは数名を巻き込み、“社内の知恵袋”を有効活用していきましょう!