Microsoft社が提供する「Teams」が、ユーザー数を急速に伸ばしています。
ビジネス向けのコミュニケーションツールとしては後発と言えますが、Microsoft365(※旧:Office365)の利用者であれば無料で使える点と、外部サービスとの連携を強化していることが特徴です。
今回は、この「Teams」をより便利に利用するためのおすすめツール(アプリ)をご紹介していきます。
Teamsとは
https://products.office.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
Teamsとは、世界でもっとも利用されているOS「Windows」を開発しているMicrosoft社が提供しているコミュニケーションツールです。
Microsoft 365(旧:Office365)を有料契約している場合、追加料金を支払うことなくそのまま利用開始できます。
また、Microsoft365を利用していなくても一部の機能制限を除いて、無料で利用することも可能です。
2017年3月に世界中で提供を開始したTeamsは、2019年11月にはアクティブユーザー数が2,000万人に到達しました。
そして2020年に大流行している新型コロナウィルスの影響により、テレワークの需要が増え、使用頻度は前例のないほど急増しています。
2020年3月には1日のアクティブユーザー数は4,400万人を超えており、たった7日間で1,200万人増加しました。これらのアクティブユーザーは、毎日Teamsで9億回を超える会議と通話の議事録など作成しています。
コミュニケーションツールということで「Slack」と比較されることも多いこの「Teams」ですが、Teamsはチャットだけのツールではありません。
チャットツールとしての機能はもちろん、Office365を始めとするMicrosoftの様々なサービスとシームレスに連携できることが特徴です。その他にもビデオ会議、ファイル管理などで、業務を円滑に進めるワークスペースの提供を実現させてくれるツールです。
Teamsは、「Office365でチームワークを実現するためのハブ」ということで、社内コミュニケーションを一元化できることでしょう。
他のコミュニケーションツールとの違いは、メール不要という考えではないことです。Outlook(メールサービス)とも連携することで、より円滑な社内コミュニケーションを目指しています。
別ツール(アプリ)と連携するメリット
Teamsは、単体で利用しても大変便利なツールです。
一方で、Teamsの特徴の一つでもあるのが、「他ツールとの連携」です。現在300近くの連携可能なツールが紹介されています(2020年5月現在)。
連携させることで、格段に業務効率化、生産性の向上が図れることでしょう。
その効果は大きく分けて2つです。
❶ 「リアルタイムに情報を受け取れること」
Teamsとツールの連携で、リアルタイムでアラートや通知が届きます。外部ツールで行った更新に即座に気づくことで、メンバーで協力して解決策を相談し、すぐに対処することが可能になります。
❷ 「情報共有の効率化」
メールやコミュニケーションツールを複数使っていると、管理が煩雑になってしまうことはないでしょうか。
Teamsを外部ツールと連携させると、関連情報をそれぞれの専用のチャンネルにまとめることができます。ツールごとの情報がTeamsに集約することで、即座に知りたい情報にたどり着くことができるでしょう。
つまり、
Teamsでプロジェクトの進捗管理やスケジュール管理、ナレッジの蓄積などができるため、「Teamsさえ見ておけば業務が進む」状態になるのです。内容ごとにブラウザで違うタブを開いて、横断的に管理していく手間はもう必要ありません。
※尚、無償版では連携不可能なツールもございます。そして一度有料版に切り替えますと、ダウングレードができませんので、自社にしっかりあった使い方を検討の上、グレードを決めていきましょう。
おすすめ連携ツール7選
ナレッジの蓄積を簡単に!『Qast』
【Qast とは】
Q&Aとメモでナレッジを蓄積するストック型の情報共有ツール
【おすすめポイント】
Qastとは、業務の中で発生する「Q&A」を蓄積し、自発的に発信する情報は「メモ」としてチームに共有する事で、属人化しやすいナレッジを一箇所に蓄積できる情報共有ツールです。
コミュニケーションツールとしてTeamsのみを利用していると、どうしても重要な情報が埋もれやすく、後から知りたい情報へとたどり着くのは困難です。
そこでTeamsとQastと連携させることによって、今まで埋もれてしまった情報をボタンひとつでQastに投稿できます。
リアルタイムのコミュニケーションはTeams、ストックしておきたい情報はQast、という使い分けが可能で、普段のコミュニケーションから生まれる重要な情報=ナレッジを社内に蓄積していくことができます。
ナレッジ蓄積ツールであるQastは、検索機能が優れています。
Teams内の検索では難しい「ひらがな⇔カタカナ検索」や「記事リンク内のタイトル、本文検索」、「添付ファイル内の文字検索」も可能です。
また、フォルダ(階層式)とタグで情報を分類でき、Teamsの弱点を補完するツールとなるでしょう。
その他にも、テンプレート機能やスコアで貢献を可視化、ピン留め、閲覧権限の設定、スマホでの使いやすさ、セキュリティ対応の充実等、シンプルながらも充実した機能を揃えており、Teams利用者にはぜひおすすめしたいツールの一つです。
※↓ TeamsとQastを連携した際の遷移
連携の仕方はこちらをご参考下さい。
【特徴的な機能】
・ファイル内の文字列を検索
・スコアで情報共有での貢献を可視化
・テンプレートを保存し、投稿作成の時間短縮ができる
・既読人数、誰が既読か、を確認できる
・大手向けのセキュリティプラン(IP制限、アクセスログ抽出、シングルサインオン)あり
別ツール同士の会話を可能に『Slack』
【Slackとは】
チームのコラボレーションを促進するビジネスチャットツール
【ポイント】
Slackは、少し前述しましたが、Teamsの競合と言われるビジネスチャットツールです。
誰でも使いこなせるシンプルなUI(ユーザーインターフェース)で、会話の内容ごとにチャンネルを作ることでメールよりも迅速なコミュケーションが可能になります。
そのSlackが、2020年4月、新機能としてMicrosoft Teamsと連携するSlackアプリ「Microsoft Teams Calls」の提供を開始しました。
こちらは、SlackからMicrosoft Teamsのビデオ会議を開始できます。Slack上で複数のメンバーを選択し、ビデオ会議を設定するだけで、そのままTeams利用者とビデオ会議が開始できるシステムです。
普段では考えられない競合ツールとの連携ですが、2020年のコロナウイルス拡大の中、世界中のあらゆる企業がテレワークを余儀なくされ、コミュニケーションツールをまたいでスピーディに連絡できることを優先させた結果でしょう。
※Microsoft Teams CallsはSlack App Directoryでβ版が下記にて公開されています。
こちらをご参考下さい。
【特徴的な機能】
・文章だけでは伝わりにくい感情をリアクションボタンで伝えられる
・メンション機能を使って、宛先を指定できる
・外部ツールと連携し、通知を受け取れる
・使いやすいスマホアプリ
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多人数でのビデオ会議なら『Zoom』
https://zoom.us/jp-jp/meetings.html
【Zoom とは】
スムーズな画面共有が可能な企業向けビデオ会議システム
【ポイント】
ビデオ会議ツールのZoomは、コロナウイルスの影響で最もユーザー数を伸ばしたツールの一つです。2020年4月のDAUは3億人を超えたと発表しています。
PC、スマートフォン、タブレットなどの全デバイスに対応しており、世界中のどこにいてもタイムラグなくビデオ会議が行えます。
Teams上でビデオ会議は可能ですが、Zoomを使用することで、より多くの人数でビデオ会議を始められます。従業員数の多い大企業やグローバル展開している企業においては、もはや必須と言えるツールです。
Teamsと連携させることで、リンク共有時にワンクリックでビデオ通話を始められる他、Teams内で会議日程を調整することが可能です。
ビジネス用途だけではなく、プライベートでもwithコロナ時代のライフラインとなっているZoom。
今後、より多くのユーザーが利用することでしょう。
連携の仕方はこちらをご参考下さい。
【特徴的な機能】
・クリック一つで録音
・大人数の参加が可能
・スムーズな画面共有
・バーチャル背景
タスク管理をしたいなら『Trello』
【Trello とは】
視覚的に管理できるカンバン方式のタスク管理ツール
【ポイント】
タスク管理ツールのTrelloは、誰でも直感的に操作することができることが特徴です。
まずは「ボード」を作成し、アイデア、依頼済、進行中、完了などのタスクの状態を記載します。
そしてボード内に「カード」を作成して、実際のタスクを記載します。カード内には、コメントの追加や添付ファイルのアップロード、担当者ラベルや期限の設定を行うことも可能です。
担当者はタスクが進んだら、ドラッグ&ドロップでカードを移動させれば、どんな状態にあるのかが参加者全員に伝わります。
Teamsと連携させることによって、Trelloのタスク状況に動き(追加や移動)があった際に、Teamsに通知させることが可能です。
Trelloを使ってメンバー間のタスク状況を可視化することで、すぐに次のタスクを進められる環境が構築されていきます。
誰が何を担当し、どんな状態にあるかがわかるため、テレワーク時代の昨今、欠かせないツールと言えるでしょう。
連携の仕方はこちらをご参考下さい。
【特徴的な機能】
・ドラッグ&ドロップでカード(タスク)を移動
・画像、動画でタスクを説明
・ラベル、担当者、期限の設定
・スマホアプリでの利用
ファイル共有で共同編集『Dropbox』
https://www.dropbox.com/business
【Dropbox とは】
チーム内のファイルをすべて1ヶ所に集約できるオンラインストレージ
【ポイント】
オンラインストレージ(ファイル共有サーバー)でおすすめなのが、「Dropbox」です。ユーザー数は全世界で5億人を越えています。
Dropboxに格納したWordやExcelなどのファイルを、メンバー間で共同編集ができる点がポイントです。もうメールに添付して送り合う必要はありません。
Dropbox Extensionsを用いてTeamsと連携させると、TeamsでDropboxのフォルダ内のOfficeファイルを開いたり作成、編集が可能になります。
階層化したフォルダごとに情報を管理でき、それぞれのフォルダに対して閲覧、編集の権限を自由に設定することが可能です。
アップロードした情報はすぐに同期されるため、全員が常に最新の状態で資料を確認することができます。
Teamsと連携させることで、その通知を受け取ることができます。
連携の仕方はこちらをご参考下さい。
【特徴的な機能】
・フォルダごとに分類
・資料の容量を問わないファイル管理
・リアルタイムで更新情報がわかる
より強固な営業管理『Salesforce』
https://www.salesforce.com/jp/
【Salesforce とは】
クラウドツールの先駆け、営業支援システム
【ポイント】
「クラウド型のSFA(営業支援システム)」という概念を作り出したのがこのSalesForceです。
見込み客の状況や商談の内容、受注見込みなどを入力し、管理することができます。
勘と経験に頼った営業ではなく、数字で管理し、営業全体の情報共有を行っていくことで成果を上げていくことを目的としています。
業種や業務に合わせて、自らカスタマイズして使用できるのも特徴で、他システムとの連携も含めて柔軟性が高いです。
2019年11月、SalesForceとTeamsは、ビジネスニーズに対応し、生産性を高めるために戦略的パートナーシップを拡大する計画であることを発表しました。
Salesforceと連携する新しいTeamsは2020年後半に利用可能になる予定です。
(※既にTeams連携は可能)
強固なセキュリティによって機密情報、顧客情報もしっかりと守られれるので安心して導入できるでしょう。
【特徴的な機能】
・見込み客(リード)管理
・売上予測
・外部システムとの連携
受付業務を無人化する『RECEPTIONIST』
【RECEPTIONIST とは】
タブレットアプリ(無人)で担当者を呼ぶ出すクラウド型受付システム
【ポイント】
来客時の受付を無人化するシステムが「RECEPTIONIST」です。
受付専門の人を採用したり、電話受付で業務を中断される心配はありません。
これによって人件費の削減へとつながります。
使い方はシンプルです。
まずはお客様が受付に設置されているiPad画面で必要事項を入力すると、ビジネスチャットを介して担当者に直接通知が送られるため、取次が不要になります。
そのビジネスチャットツールの一つが「Teams」です。
リアルタイムで担当者に通知が届き、来客時の受付業務を簡略化できます。
来客時の内線電話の音はなくなり、担当者を探す時間が削減されるため、静かで集中できる環境を作れます。社員の生産性が高まる上、来客の度に業務を止めることがありません。
受付だけでなく、打ち合わせの日程調整を行うことも可能です。
担当者が予め用意したスケジュール上から、お客様が日程を選ぶだけで日程調整が完了します。日程調整に要していた工数が83%も削減されます。
Teamsとの連携方法はこちらをご参考下さい。
【特徴的な機能】
・iPad一つで完結
・チャットツールと連携し通知
・web上で簡単に終わる日程調整
まとめ
テレワーク化が余儀なくされている昨今、遠隔地でも滞りなく業務を行い、尚且つ効率化が図れるツールの導入はますます必須となることでしょう。
その中でも注目されている「Teams」。
ジャンルごとに必要なツールが増えている今、すべての状況をTeamsで確認できるようにして、さらなる業務効率化を目指してみませんか?
単体でも十分便利なコミュニケーションツールですが、他ツールと連携することで更に利便性が増すことは間違いありません。