近年、企業には社内における情報共有の重要性が問われています。業務の属人化、生産性の低下、コミュニケーション不足など、情報共有を怠ることで起こりうる弊害は様々考えられます。
そんな社内での情報共有不足を防ぐ手法として、「ナレッジマネジメント」が注目を集めています。そして、ナレッジマネジメントの効果を最大限に高める「グループウェア」の活用も広まっています。
今回は、ナレッジマネジメントを促進する上でツールを活用するメリットや、機能性・メリットに基づいておすすめのグループウェアをご紹介します。
ナレッジマネジメントの重要性
ナレッジマネジメントとは、企業が持つ情報や知識と社員一人一人が持つノウハウや経験を融合させ、より質の高い業務を実現させる経営手法です。
ナレッジマネジメントの重要性は、「暗黙知」を「形式知」に変換できることです。
暗黙知とは、ある事柄についてなんとなく理解している状況ではあるものの、あくまでも感覚的な理解に過ぎず、言葉では説明できない状態を指します。暗黙知の状況では社員間で知識を共有することができません。
形式知とは、知識の内容が文章や図などで明確に示されている状態を指します。この状態であれば、社員間で知識を共有することが可能となります。
例えば、ある知識について、社員のAさんは感覚的にしか理解していない状態のため暗黙知の状態、社員のBさんは明確に理解してるため形式知の状態とします。
この場合、Bさんはある知識について明確に理解していることから、その知識をくわしく理解していないAさんに対して知識の内容を説明することができます。これにより、Aさんはある知識について暗黙知の状態から形式知の状態にステップアップできます。
ナレッジマネジメントの活用によって、社員全体の知識水準を引き上げられることからも、ナレッジマネジメントが重要な役割を担っているということができるのではないでしょうか。
ツールを導入するメリット
ナレッジマネジメントは、社員間で知識を共有するという意味合いで使われるほかに「社員間で情報を共有する」という意味合いでも使われます。
業務を効率的に進めるためには、その業務にたずさわる社員の全てが情報を理解している必要があります。
その情報は朝礼やミーティング、個別にコミュニケーションを行うことで伝えることができますが、より効率的に社員間で情報を共有するためには「ナレッジマネジメントツール」の活用が効果的です。
ナレッジマネジメントツールとは、共有すべき知識や情報を全ての社員が利用できるツールのことです。
ナレッジマネジメントツールを導入するメリットは、知識や情報が共有されることによって、業務の効率化が図られることです。また、業務に関する専門知識が多くの社員に理解されることで、社員のスキルアップも見込めます。
業務の効率化や社員のスキルアップが実現すれば、業務の質も向上するため、質の高い製品の供給やサービスの提供が可能となります。それにともなって、顧客満足度の向上も期待できます。
グループウェアの機能
ナレッジマネジメントツールの一種として「グループウェア」があります。グループウェアとは、企業などの組織内において情報を共有するためのソフトウェアです。
グループウェアを効率的に活用するために、グループウェアで利用できる機能について理解しておきましょう。
電子メール
組織内で電子メールの送受信を行うことができます。グループウェアの電子メールにおいては相手が読んだかどうかも表示されます。
掲示板(BBS)
掲示板に書き込みができる機能です。メッセージなど連絡したい内容を書き込み、相手に伝えることができます。
チャット
指定した人とコミュニケーションを取るための機能です。SNSでのメッセージ機能のように、テンポ良くメッセージのやりとりができることから、業務の打ち合わせを行う場合に適しています。
ライブラリ
情報ファイルや画像データなど、業務に関するさまざまな情報が登録されており、利用者同士で情報を共有できます。
ファイル共有
資料や画像、ドキュメントなどを保管する機能です。ファイルにアクセスすることで保管されている情報を共有することができます。
ワークフロー
電子決裁を行う機能で、申請書や企画書などの決裁処理を電子的に行うことができます。オンライン上での決裁であるため、作業をスムーズに進めることが可能です。
スケジュール管理
スケジュール管理の機能では、メンバーのスケジュールが共有されます。メンバーのスケジュールが確認できるため、無駄な作業の発生を防ぐことができ、業務の効率化が見込めます。
会議室予約
会議室の予約状況や、会議室で使用する設備の予約状況を管理できます。多くの場合はスケジュール管理と連動しているため、会議のスケジュールを決めたうえで会議室を予約することができます。
おすすめのグループウェア5選
機能性やメリットに基づいて、おすすめのグループウェアを5つ紹介します。
それぞれのグループウェアの特徴を理解しておくと、自社に適したグループウェアを選びやすくなります。
Qast

「Qast」は、シンプルに使いやすく利用できる点が特徴で、導入している企業は1,900社以上にのぼります。業界や職種を問わず誰でも簡単に投稿できるツールであることが導入につながっています。
Qastでは、Q&Aとメモの機能によって社内の情報が集約されます。よくある質問はQ&Aの項目に、個人の知識やノウハウをメモの項目に投稿することで情報が一か所にまとめられ、情報を容易に検索できます。
また、質問は匿名でも行うことができるので、気軽に質問することが可能です。投稿はテンプレートから行うことができるため、手軽に投稿できる点も魅力的です。
サイボウズOffice

サイボウズOfficeは、中小企業向けのグループウェアです。サイボウズOfficeのトップページには、その日の予定、連絡事項や申請など、業務を行うにあたって必要な情報が集約されているため、1日の業務計画をスムーズに立てられます。
パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンからも利用でき、外出先にいながらもアクセスできるため、業務の効率性がアップします。
さらに、30日間無料で全ての機能が利用できること、最低5ユーザーから利用できるため、お試し感覚で気軽に利用できます。
J-Motto

J-MOTTOの特徴は、低価格で利用できる点です。基本料金は20ユーザーまでで月々3000円なので、1ユーザー当たりの利用料金を月々150円におさえることができます。
また、無料お試し期間は最大3か月となっており、グループウェアを試験的に導入する面から見ても最適です。
グループウェアで利用できる機能は25種類と豊富であるうえに、使いやすく、画面も見やすいことから、パソコンの操作が苦手に感じる人も手軽に利用できます。
そのほか、J-MOTTOではグループウェアのほかに「WEB給与明細」や「WEB勤怠」などさまざまなクラウドサービスもあわせて提供しています。これらの機能も活用することで業務の能率がさらに向上します。
desknet’s Neo

desknet’s NEOは、現場の声を反映しており、使いやすい操作画面に仕上がっています。
desknet’s Neoを制作した企業の調査によると、操作画面の印象に関する回答で最も多かったのは「見やすい」の24%でした。
また、3か月以内の定着率は「すっかり定着している」と「定着している」をあわせると77%に達しています。この結果は、現場の声に基づいたグループウェア制作に徹したからといえるでしょう。
そのほか、desknet’s NEOは日本企業特有の仕事の流れを想定して制作されています。日本企業では部署や役職単位でのやりとりが発生する場合があるため、部署や役職単位で連絡先をまとめて指定することもできます。
ジョブカンワークフロー

ジョブカンワークフローは、申請業務の効率化に特化したグループウェアです。
申請書の記入は簡単に行えるほか、申請した書類の承認業務は外出先にいながらスマートフォンで操作できるため、承認業務がスムーズに進められます。また、新たな種類の申請書を簡単に作成することもできます。
ジョブカンワークフローを利用することによって、申請・承認にかかる時間は約3分の1に削減されます。申請業務が効率化することで、業務の効率化も期待されます。
まとめ
グループウェアを選ぶ際のポイントとしては、誰でも簡単に利用できること、画面の内容がわかりやすいことがあげられます。
グループウェアを気軽に利用できれば、社内で共有されている知識や情報にアクセスできるため、業務の効率性も向上します。
グループウェアは多くの社員が利用するツールであることから、わかりやすさを重視して選ぶことが基本といえるでしょう。
Qast
いつでも、どこでも、誰でも使いやすい“社内の知恵袋”。Q&Aとメモで社内の属人化を防ぐナレッジ共有ツール。