SECIモデルとは?注目のナレッジマネジメント手法を具体例交えながら徹底解説!

属人化したナレッジを組織内で共有し、知識財産として蓄えるナレッジマネジメント。現在注目を集めている経営手法ですが、仕組みをしっかり理解しておかないと、取り組んでも効果を得ることが難しいでしょう。

今回はナレッジマネジメントに欠かせない「SECIモデル」について解説します。ナレッジマネジメントを成功させるためにも、この機会にしっかりと仕組みを理解しておきましょう。

SECIモデルとは

「SECI(セキ)モデル」とは、個人が持っている知識や技術といった「暗黙知」を組織で管理し、共有するための「形式知」へ変える基本の枠組みです。

枠組みのプロセスである共同化(Socialization)・表出化(Externalization)・連結化(Combination)・内面化(Internalization)それぞれの頭文字をとって「SECIモデル」としています。

ナレッジマネジメントにおいては、このSECIモデルが基本の形となります。

暗黙知から形式知へ、形式知から暗黙知へとスパイラル構造のように何度も繰り返していくことによってナレッジが洗練されていき、ナレッジマネジメントを成功へと導きます。

ここからはそれぞれの言葉の意味や関係性を解説しながら、SECIモデルについて詳しく掘り下げていきます。

暗黙知と形式知とは?SECIモデルとの関係性

知識や技術といったナレッジは、暗黙知と形式知の2種類に分けることができます。

暗黙知は、個々が経験していくなかで培ったコツや勘に近い知識や技術のことを指します。そして、その知識や技術をマニュアル化やテンプレート化によって誰にでも取得できるようにしたものが形式知です。

SECIモデルはこれらの暗黙知と形式知を交互に繰り返し、知識・技術といったナレッジを研磨する仕組みを表しています。

SECIモデルの根幹である4つのプロセスについて

ナレッジマネジメントにおけるSECIモデルは、大きく分けて4つのプロセスがあります。

4つのプロセスは暗黙知や形式知がお互いに変換する段階を表していて「共同化」「表出化」「結合化」「内面化」と順を追う形です。

これらのプロセスについて1つずつ解説していきます。

共同化プロセス

共同化は、暗黙知から暗黙知へ共同するプロセスです。

よくある例では「師匠が持つ職人技(ナレッジ)を弟子が目で見て学ぶ」ということが挙げられます。

共同化の段階では、コツや勘などの暗黙知を覚えただけです。マニュアル化をはじめとする形式知になっていないため、この段階では組織の知識資産にはなっていません。

表出化プロセス

表出化は、共同化によって得た暗黙知を形式知へと変換するプロセスです。

師匠から見て学んだ知識や技術を、言語化して誰が見ても理解できるようにまとめます。個人から個人へ共同化したプロセスと違い、より多くのひとにナレッジの共有が可能です。

連結化プロセス

連結化は、表出化した形式知と別の形式知を連結するプロセスです。

既存の形式知同士を組み合わせることによって新たな知識や技術が生まれる可能性を秘めています。組み合わせ次第ではイノベーションのきっかけにもなりえるプロセスです。

内面化プロセス

内面化は、結合化して生まれた新たな形式知を個人が取り入れることによって、再び暗黙知を形成していくプロセスです。

形式知を実践するうちにコツや勘をつかみ、個人のなかで暗黙知として確固たるものへと変化していきます。内面化によって得た暗黙知は、最初のプロセスに戻って共同化からリピートを繰り返します。

SECIモデルのプロセスに必要な「場」とは

SECIモデルにおける4つのプロセスを行うためには、それぞれに適した場が必要です。

ここからは「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」の4つのプロセスに合わせた場について、具体例を挙げながら解説していきます。

共同化するための創発場

暗黙知から暗黙知を生む創発の場は、特定の場所に限らずそのときの状況を表すことが多いです。

昼休みの喫煙所で交わした会話や週末の飲み会で行った雑談など、あらゆる場所でのコミュニケーションが共同化の場です。リモートワークが増え、オンライン通話が創発場になることもあります。

創発場はいつどこで「場」が発生するかわからないという特性を持っているのです。

共同化はコミュニケーションが必要な性質上、1人で行うことができません。暗黙知のナレッジが個人の枠を越えて他人に接触した瞬間、初めて共同化に至ります。

表出化するための対話場

暗黙知を言語化や概念化して形式知へと変換するのが表出化プロセスの場です。表出化プロセスは対話によって生まれます。

マニュアル・資料づくりやミーティングでの対話を通して暗黙知を出し、形式知にまとめます。対話場が生まれるのは、暗黙知が集まる場所でもあるオフィスが多いです。

創発場と違う点は、対話場の発生に突発性がないことです。表出化するための対話場をあらかじめ用意しておくことが多いです。

連結化するためのシステム場

複数の形式知が連結するためのシステム場は、形式知が集まる場所が適しています。

形式知を持つ者同士が必ずしも対面する必要はないため、オンラインが場になることも珍しくありません。オンライン上なら人数に制約もなく、膨大な量の形式知をシステム場に集めることが可能です。

オンライン上で発生するシステム場の例としては、チャットツールや掲示板などが挙げられます。

内面化するための実践場

形式知を自分自身のなかへ落とし込み、暗黙知へ変えるのが実践場です。実践する場なので、ナレッジの内容によって場所はさまざまです。特定の場所はありませんが、労働自体をそのまま実践場として活用する機会が多いでしょう。

実践場においては、ただ形式知を実践するわけではありません。実践によって個人が得られる知見こそが内面化の真骨頂である暗黙知です。

SECIモデルを実現する「Qast」

https://qast.jp/

SECIモデルを実現するためには、「Qast」のようなナレッジ共有ツールを利用する方法が適しています。

Qastには、ちょっとしたメッセージやコメントを残せるメモ機能、わからないことを質問するQ&A機能などがあります。SECIモデルにおける暗黙知から形式知にする対話場をつくることが可能です。

さらに形式知を持ち寄ってツール内でやり取りをしていれば、システム場としての役割も果たせます。

暗黙知を言語化し、形式知としてQastで共有するという一連の流れは、SECIモデルの実現に適した環境です。

まとめ

ナレッジマネジメントには「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」の4つからなるSECIモデルという枠組みがあります。このSECIモデルの仕組みを組織全体がしっかりと理解していれば個々の持つナレッジは研磨され、より質の高いナレッジへとアップデートすることが可能です。

同時に組織全体の知識資産もアップデートを繰り返し、ナレッジを活用した生産性の向上や業務効率化に貢献すると考えられます。転職や退職にともなって失う可能性のある個人のナレッジでも、組織全体で共有しておけば実質的な損失を防ぐことにつながるでしょう。

Qastを使ってSECIモデルを実現する「場」をつくり、暗黙知と形式知の変換を繰り返しながら知識資産を蓄積してはいかがでしょうか。