ナレッジマネジメントとは?ツール導入〜組織に定着させるまで

組織の生産性を向上させるために、今必要性が増している「ナレッジマネジメント」。

近年、そのナレッジマネジメントに大きな変化が起きています。
働き方の変化やグローバル化の波によって、必要性が増しており、課題を解決するための手段となるツールも多様化しています。

そこで、今回はナレッジマネジメントの基礎から、実際に組織に定着させるために必要なことをお伝えしていきます。
既にご存知の方も、改めて社内のナレッジマネジメントが機能しているか、再考してみてはいかがでしょうか。

 

ナレッジマネジメントとは

英語での表記は「Knowledge Management」。KMと略され、日本語では「知識経営」、「知識管理」などと呼ばれることもあります。

ナレッジマネジメントとは、個人が培ってきた知識やノウハウを組織内全体で共有することで、企業のものとして蓄積し、有効活用して生産性を向上させようとする経営手法です。

ナレッジマネジメントを語る上で欠かせないのが「暗黙知」と「形式知」という2つの概念です。
個々の社員がそれぞれの経験によって培われていく勘や、言語化する事が難しいノウハウを「暗黙知」と言います。例えば、過去の取引や市場調査のようなデータはもちろん、顧客対応の方法、備品が故障した際の対処法、営業スタンスなども個人が培った大事な情報=「暗黙知」です。
その暗黙知を文書などによって形にする事を「形式知」と言います。

ナレッジマネジメントとはつまり、この「暗黙知」を「形式知」に変えていこうとする手法です。

 

注目される理由

ナレッジマネジメントの概念は、1994年、一橋大学大学名誉教授の野中郁次郎教授らが出版した「The Knowledge-Creating Company」によって提唱されたと言われています。経営における「知識」に着目する考え方はそれまでにもありましたが、野中教授は、知識による創造と、その形成プロセス(SECIモデル)に着目しました。

振り返るとナレッジマネジメント自体は、近年誕生した新しい概念ではありません。
日本企業でも、古くから意識されていたものなのです。例えば、朝礼において口頭で情報共有をする、紙に書いてファイリングするということも一つのナレッジマネジメントの手段です。

そこから時代の変化とテクノロジーの進歩により、再びナレッジマネジメントが脚光を浴びています。
その要因は主に3点が挙げられます。

①働き方の柔軟性
2016年9月、安倍首相は「働き方改革実現推進室」を設置しました。一億総活躍社会の実現に向けて、多様な働き方が推奨され始めます。
企業は優秀な人材確保のために、「副業OK」、「リモートワーク可」、「フレックス制導入」、「在宅勤務」など、労働力を低下させないために様々な働き方を模索しています。働き方が柔軟になると人材の確保につながる反面、これまで決まった時間にオフィスでできていた情報共有が難しくなり、ナレッジマネジメントにおいて新たなツールの導入が必要となっています。

②転職者の増加
高度成長期に日本で構築された「終身雇用制度」は、崩壊に近づいています。「転職によってキャリアアップする」という考え方が一般的になり、企業にとっては次々に新入社員とベテラン社員が入り交じる構図となります。
転職者が増えることによって、知識やノウハウは個人に蓄積されていく一方で、企業内に蓄積しづらくなりました。

③テクノロジーの進歩によるグローバル化
日本企業内で外国人労働者が増えていくのはもちろん、海外市場に進出し、取引を行っていくことは今後益々増えていくことでしょう。
そんな中、知識や情報の考え方として、海外では「形式知化」していることが一般的であり、言わずとも察する「暗黙知」の文化は日本独特の文化であることに気づきます。
海外企業と取引する際には、情報を整理し、文書として伝えることは必須となるでしょう。

これらの変化に伴って、情報共有の在り方にも変化が必要になっていきました。
そこで、ITツールを活用した効率的な情報共有を行おうとするナレッジマネジメントが再び注目を集めています。
 

ナレッジマネジメントをITツールで行うメリット


 

① 全社員がいつでもアクセス

社内ミーティングでの情報共有は参加者のみにしかき伝わりません。しかし、ITツールを活用すれば、いつでも誰でも簡単に情報にアクセスできます。社内の情報格差を防げることは重要なメリットの一つです。口頭よりも正確性で、すぐに知りたい情報にたどり着くことができます。

② アイデアの創出

全社員がいつでもアクセスできるということは、他部署の情報にもアクセスできるようになります。これまでとは違う見方や情報に触れる事ができ、新しいアイデアの創出やスキルアップにつながります。

③ 顧客対応力の強化

顧客と直接対話するカスタマーサポートや営業という職種では、常に最新で正しい情報を顧客に伝える必要があります。一箇所に情報を集約することによって、顧客への回答が属人化せず、誰が対応しても同じクオリティを保つことができるでしょう。

④ 教育コストの削減

入社したばかりの新人は同じ疑問を持つものです。口頭でのやりとりだけでは、別の新人から同じ質問を受けることが多く、回答者側の大きな負担になるものです。ITツールの活用で、何度もゼロから同じ事を教える必要がなくなり、教育コストを大幅に削減する事が可能です。

⑤ 社員の得意・不得意がわかる

誰が、何を、どれぐらい知っているのかが明確になります。企業にとっては、人事評価の一つの基準にもなり得るでしょう。
 

ツールを定着させるプロセス

上述の通り、メリットが多いITツールによるナレッジマネジメントですが、導入するだけでうまく活用されるとは限りません。
担当者が舵を切り、社内に定着させるためのフローが必要です。

① 目的を明確に
社内で起きている課題を解決するために、まずは「なぜ、ツールを導入するのか」、「ツールを導入してどんな状態にしたいのか」、という目的を明確にすることが重要です。
そしてそれを社内の利用者に伝えましょう。ツールのアクセス方法だけを共有しても、招待された側としては、どのように使えばいいのかわかりません。

② ツールの選定
目的が明確になったら、その目的を達成できるツールを選定しましょう。
同じジャンルのツールでも、使用感や機能、手軽さは様々です。多くの紹介ページで導入事例が掲載されているので、自社の規模や業界での利用実績があるのかを確認しておきましょう。
無料トライアル期間が設けられているツールも多いので、実際に使ってみるのもおすすめです。

③ 現場で使われるための仕組み作り
ツールを選定したら、サンプルとなるような投稿や使い方を担当者が率先して行っていきましょう。
誰も使ったことがないツールを現場でいきなり使い始めるのは、ハードルが高いものです。担当者が実際に使ってみせることで、どんな使い方が正しいのか理解できます。

さらに、「こんなシーンではこれを使う」という明確なルールを定めると、実際に運用されやすいです。
必然的にツールを使う仕組み作りができると、①で定めた目的が達成できるでしょう。
 
 

おすすめのナレッジマネジメントツール

Qast


Qastとは
いつでも、どこでも、誰でも使いやすい“社内の知恵袋”。
Q&Aとメモでナレッジを蓄積する社内情報共有ツール。
https://qast.jp/

【特徴】
wiki(メモ)として自発的に情報発信できるだけではなく、Q&A形式で業務上の不明点を解決できる点が他のツールにはない特徴です。

また、投稿数やメンバーからの反応に応じてスコアが付与され、ランキング形式で表示できるため、投稿するモチベーションにつながります。
自発的に情報発信してもらおうとしても、忙しい社員からはなかなか投稿が増えないのがナレッジマネジメントツールの懸念点ですが、スコア機能の位置付けによって、その懸念点は解消されそうです。

タグによって投稿のジャンルわけができるため、投稿数が増えても一瞬で知りたい情報にたどり着くことができます。

Evernote


Evernoteとは
手間をかけずに整理できるビジネス版ノート
https://evernote.com/intl/jp/

【特徴】
Evernoteは、個人利用されている方も多いかと思いますが、もちろんビジネス利用もできます。
プランによっては、手書きの文字をテキスト化して検索できるのが特徴です。
ご利用のデスクトップ、スマートフォン、タブレットのすべてで同期されるため、必要なときにいつでもアクセスできます。

Scrapbox


Scrapboxとは
チームのための新しい共有ノート
あらゆる情報をつなげて整理できる次世代の知識共有サービス
https://scrapbox.io/product

【特徴】
wikipediaのようにフォルダ階層構造ではない管理方法で、ナレッジを恒常的に一ヶ所にまとめられます。
Scrapboxでは単語を[カッコ]で囲むだけでネットワークが構築できます。整理に頭を悩ませずに、書いたものが参照されやすくなることが特徴のツールです。
同時並行で会話が可能なので、一つの文書を複数人で同時に書き込むことが可能なため、生産性を下げません。また、スクリーンショットや手書きの図を共有することでイメージでの図解ができます。 
 

まとめ

いかがでしたか?
本記事では、ナレッジマネジメントの意味からメリット、ツールを導入して定着させるまでのフローをご紹介してきました。

社員が個々で培ってきたノウハウをうまく活用できれば、会社としての資産となり、生産性を大きく向上させることができます。
ナレッジマネジメントを組織に定着させるのは簡単ではありませんが、明確な目的と中長期的な目線を持って、ツールをうまく活用していきましょう。

 
 

Qast
Qast
いつでも、どこでも、誰でも使いやすい“社内の知恵袋”。Q&Aとメモでナレッジを蓄積する社内情報共有ツール。